連結決算初心者がまず初めにやった方がいいこと(その4:③グループ会社が作成する資料の把握)
今回は連結決算初心者がまず初めにやった方がいいことのうち③グループ会社が作成する資料の把握についてお話させていただきます。
以前の記事に書きました連結決算初心者がまず初めにやった方がいいことは以下の3つです。
①連結会計の勉強
②グループ会社間の取引の把握
③グループ会社が作成する資料の把握
③グループ会社が作成する資料の把握とはグループ会社が連結決算のためにどのような資料を作成しているかを把握することです。
まず連結決算のうち連結精算表は大まかに言えば以下の手順で作成します。
Ⅰ.グループ会社での単体決算
Ⅱ.グループ会社からのデータ収集
Ⅲ.グループ会社の個別財務諸表の単純合算
Ⅳ.グループ会社間の取引の調整(連結修正)
③グループ会社が作成する資料の把握は上記のうち、Ⅱ.グループ会社からのデータ収集となります。グループ会社からのデータ収集は連結決算の中で最も大変な作業ですが、その理由は主に以下の通りです。
・資料が整理されておらず、必要な情報がどこにあるか分かりにくい。
・資料の正確性が低い。
・資料間の整合性が取れていない。
・資料の履歴管理ができておらず、最新の情報の把握に苦労する。
・そもそも資料が作成されておらず、担当者のメールなどでしか把握できない。
上記に当てはまっている企業は多いのではないでしょうか。
このような現状のため連結決算に必要な資料がどこにある把握する必要があります。グループ会社が100社を超えるような大企業の場合は連結パッケージという連結決算を行うのに必要な情報を整理してフォーマット化したものを各グループ会社の担当者に入力させるケースがほとんどです。このような企業の場合は連結パッケージを確認することで各グループ会社の情報を一元的に把握しやすいです。
しかしグループ会社の数が少ない企業はグループ会社からその都度必要な資料の送付を依頼していることが多かったです。そのような企業に対して連結決算のコンサルティングを行うときは例えば以下ような一覧表で連結決算に必要な情報と資料の関連を整理しています。(グループ会社ごとに資料がバラバラで整理するのにかなりの労力を要するケースがほとんどです。)
≪例≫
項目 | 会社 | 勘定科目 | 資料 |
---|---|---|---|
単純合算 | A社 | BS科目 | A社○○年度貸借対照表.pdf |
PL科目 | A社○○年度損益計算書.pdf | ||
B社 | 全科目 | 総勘定元帳(取引先別) ※個別会計システムから出力 |
|
C社 | ・・・ | ・・・ | |
内部取引消去 | A社 | 売掛金 | 取引別売掛金明細.xlsx |
販売費及び一般管理費 | 販管費明細.xlsx | ||
・・・ | ・・・ | ||
B社 | 全科目 | 総勘定元帳(取引先別) ※個別会計システムから出力 |
|
C社 | ・・・ | ・・・ | |
貸倒引当金調整 | ・・・ | ・・・ | ・・・ |
連結決算に必要な情報は多岐に渡りますので連結連結決算担当に配属された方はまず過去の連結決算資料及びその根拠となったグループ会社の資料を一通り確認した上で上記のような一覧表を作成(連結パッケージを作成している会社は連結パッケージを確認)してみてはいかがでしょうか。