連結初心者のための実務で使える連結決算

悩める連結決算担当者のために実務で使える連結決算知識を書いてきます。

【連結決算一連の流れ】連結BS,PLを作成すれば終わりではありません。

今回はこれから連結決算の担当者になる方向けに連結決算の一連の流れについてお話させていただきます。
主な流れは以下の通りです。(年次決算の場合)

Ⅰ.連絡決算準備(~決算日から1週間程度、連結決算担当者の負担:小~中)
連結決算を始める前に必要な準備を行います。
例として以下の作業があります。

会計基準の変更点の確認
・連結決算システム(連結決算作成シート)のメンテナンス
・連結決算スケジュール、担当割の作成
・連結パッケージのメンテナンス
・グループ会社へ前回連結決算からデータ収集項目の修正点、注意点の説明
・グループ会社へデータ収集項目、期限の連絡
・連結範囲の変更有無の確認
・外貨換算レート(AR、CR)の取得
・開始仕訳の作成、確認

Ⅱ.グループ会社の単体決算(決算日~10日程度、連結決算担当者の負担:無し)
各グループ会社が単体決算を行います。

Ⅲ.グループ会社からのデータ収集
(~決算日から2週間程度、連結決算担当者の負担:大)
グループ会社から連結決算に必要なデータを収集します。
個人的に連結決算で最も大変な作業と感じています。

Ⅳ.連結精算表の作成(~決算日から15日程度、連結決算担当者の負担:中~大)
グループ会社から収集したデータから連結BS,PLの元となる連結精算表を作成します。

Ⅴ.連結キャッシュフロー精算表の作成
(~決算日から20日程度、連結決算担当者の負担:中)
グループ会社から収集したデータから連結CF計算書の元となる連結キャッシュフロー精算表を作成します。

Ⅵ.決算短信の作成(~決算日から30日程度、連結決算担当者の負担:中)
連結精算表及び連結キャッシュフロー精算表から決算短信を作成します。
決算日から45日以内の開示が求められていますが、多くの企業は30日以内で開示しています。
決算短信の例:日本郵政
https://www.japanpost.jp/ir/library/earnings/

Ⅶ.(連結)計算書類、有価証券報告書の作成
(~決算日から2ヶ月程度、連結決算担当者の負担:中~大)
(連結)計算書類、有価証券報告書を作成します。
決算短信の報告内容に加えて注記項目の報告が求められているため、負担はそれなりに大きいです。
有価証券報告書の例:日本郵政
https://www.japanpost.jp/ir/library/security/

連結決算担当者はこれらの作業を四半期に一回行う必要があり、また期限も法令によって決まっているため、決算期間は忙しくなります。
一度自社または就職希望の会社が作成する開示資料をじっくり見てみてみるとよいかと思います。

次回は連結決算が大変となる会社の傾向をお話させていただきます。