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【公認会計士試験合格者向け】監査法人の選考で全て不採用になったら(①:ブログ主の就職活動)

≪注意点≫
当記事はブログ主の公認会計士試験合格後の就職活動について書いています。
ブログ主は2011年合格であり、公認会計士試験合格者の監査法人への就職難が問題となっていた時期でした。
当記事の内容はあくまでブログ主の主観であり他の合格者の実態とは大きく異なる場合があること及び内容の一部に不快に思われる箇所があることをご了承の上お読みください。

≪ブログ主のプロフィール≫
大学4年から公認会計士試験の勉強を開始し、受験専念期間を経て2011年に公認会計士試験合格後、監査法人の選考で全て不採用となりました。
様々な会社の選考を受けた結果、翌年にとある会計システムの開発・導入をしている会社に就職し、その後実務従事により公認会計士登録の要件を満たしました。

まずは2020年の論文式試験受験者の方へお疲れ様でした。
これからほとんどの方が監査法人の就職活動をスタートすることになるかと思います。しかしながらコロナウイルスによる不景気により今後数年に渡り監査法人が採用を絞ることで一定数の合格者がどの監査法人にも就職できない事態が想定されるため記事を書かせていただきました。
監査法人への就職活動のアドバイスについては他のブログなどをご覧ください。
なお、当記事は主に以下に該当する方を対象にした内容となっています。
監査法人の選考で全て不採用になったまたは監査法人以外の就職を希望している
・大学を既に卒業しており、無職の状態で公認会計士試験に合格した
・正社員としての職歴が無い

以下に会計士試験合格後のブログ主の状況を書いていきます。
≪2011年11月~:監査法人
大手監査法人及び中小監査法人併せて8社に説明会及び選考の申し込みをしました。
監査法人の名前は伏せますが説明会で「就職難は分かるが我々には関係ない」と発言した採用担当者もいました。(当時の状況を考えると言葉に出さずともどの監査法人も似たようなことを思っていたと感じています。)
また一部ですが面接者に対して横柄な態度で質問をしてくる面接官もいました。
結局全ての監査法人で書類選考または一次面接で不採用となりました。
【補足】
どうしても監査法人に就職したいなら監査法人の地方事務所やもっと多く中小監査法人の選考も受けるべきでした。このような面も含めて自分の就職活動への認識の甘さが不採用の最大の原因であったと今振り返ると感じています。

≪2011年12月~:補習所≫
補習所が始まる。当時は監査法人への未就職者が多かったとはいえ、監査法人への内定と一緒の空間にいることに対して非常に惨めな思いをしたことを覚えています。はっきり言って補習所に行きたくなかったですが、それでも何とか我慢して行きました。特にグループワークでの自己紹介で他の合格者が自分の就職先を話す中、自分は就職活動中であることを話すのは非常に辛かったです。
また就職活動と補習所の講義、考査、課題論文が重なったことも時間的にも精神的にもきつかったです。

≪2012年1~2月:税理士法人
JICPA Career Navi(日本公認会計士協会が運営する就職サイト)の登録と税務業務に興味があったのでいくつかの税理士法人の説明会に申し込みました。とある税理士法人の説明会ではそもそも税務業務未経験は採用対象外であることを告げられたり(当然ながら書類落ち)、面接官から会計士試験合格者の応募が多いけれど税務知識が不十分なので採用はあまり考えてないと言われたりしました。公認会計士が税務業務をやることに不快感を持っている面接官(税理士)も中にはいました。
最終面接まで選考が進んだ税理士法人もありました(最終面接で不採用になったことは精神的に一番キツかったです)が、多くは一次面接で不採用となり結局どこからも内定は獲得できませんでした。

≪2012年2月~3月:会計事務所≫
JICPA Career Naviやその他キャリアサイト経由でいくつかの中堅規模の会計事務所の選考に申し込みました。監査法人を不採用となったことに対して面接官の印象がそもそも悪く、自分自身も志望理由を上手く伝えらず(そもそも仕方なく選考に申し込みをしている)に不採用が続きました。
その後、小規模の会計事務所の選考にも申し込みましたが、せっかく会計士試験に合格したのにという気持ちが勝り(今考えると非常に失礼な話ですが)選考を辞退しました。

≪2012年3~5月:事業会社の経理部≫
リクナビマイナビや就職エージェント経由で事業会社の経理部(経理子会社)の新卒枠に既卒で選考に申し込みました。どこの会社も会計士試験に合格したのにどうして事業会社を志望したのかしつこく聞かれました。(ほとんどの面接官は会計試験合格者の就職難の状況を理解していなかったです。)
また少なくとも私が選考を受けた中で会計士試験に合格したことをプラスに評価してくれた会社はなかったです。むしろ監査法人の選考で不採用であったことや既卒かつ新卒の方と比べて年齢が高いことや短期で監査法人等に転職されることへの懸念などの点がマイナスの印象を持たれていたと感じました。もちろん面接での受け答えが評価されなかったことが一番の原因とは思いますが、結局選考を受けた全ての会社で不採用でした。

≪2012年3月~7月:会計システム会社≫
リクナビマイナビ経由で会社システムを開発、導入している会社の新卒枠に既卒で選考に申し込みました。内容につきましては事業会社の経理部とほぼ同じです。ここでもほとんどの会社で公認会計士試験に合格したことをプラスに評価されなかったどころかマイナスの印象を持たれていたと感じましたが、かろうじて1社だけ内定をいただきその会社に就職しました。
内定者に会計士試験合格者がいたので会計士試験合格者を採用する方針であったことや社内に会計士がいたことで会計士試験合格者に対して評価している会社であることが内定の理由であったと思います。

以上が私の就職活動の経歴です。
2020年現在の就職状況は把握できていませんが、自分自身のコミュニケーション能力の低さ及び就職活動への認識の甘さが原因であるとはいえ少なくとも2011年当時は会計士試験合格後にいきなり監査法人以外に就職することはハードルが非常に高いと感じました。私の場合はまだ大学卒業後数年経っただけなので事業会社の新卒枠に応募できたのがせめてもの救いでした。
個人的には公認会計士試験の勉強より就職活動の方が遥かにきつい経験でした。二度と経験したくありません。

このような記事を書くべきか悩みましたがこれから監査法人の選考を受ける方への注意喚起、今後当時の私と同じような立場となった会計士試験合格者への参考資料、監査法人内定者への配慮のお願い、面接官への会計士試験合格者を取り巻く状況の理解及び会計士試験合格者採用のお願いなどを考慮して記事とさせていただきました。
当記事を読んだことで不快な気持ちとなった方へどうかこれらの事情をご理解いただけますと幸いです。

次回の記事で公認会計士試験の監査法人以外の就職活動について書きます。
長文となりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。
【次回の記事】

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