連結初心者のための実務で使える連結決算

悩める連結決算担当者のために実務で使える連結決算知識を書いてきます。

【転職希望者向け】こういう企業の連結決算担当者は大変です。

今回は連結決算担当者が大変な思いをしている企業の特徴についてお話させていただきます。
このような特徴がある企業に転職を希望される方は覚悟がいるのでご注意ください。

①勤務地が大都市(東京、大阪、名古屋)以外にある。
大都市以外にスキルが高い連結決算担当者がいる可能性は低いです。
あなた一人に連結決算を丸投げされる場合もあります。

②専任の連結決算担当者の人数が少ない。
人数が少なければ一人の負担が大きくなります。
また単体決算と兼任ならまだましな方で人事総務など経理以外の部署と兼任する方ばかりであれば連結決算のスキルが低い可能性が高いです。

③簿記資格の手当、報奨金、資格取得支援制度がない。
連結決算担当者のスキルが低い可能性が高いです。
個人的には一通り連結決算を行おうと思ったら日商簿記1級は最低ラインと考えています。

④上場したばかりの企業である。
連結決算の実績が少ないことで過去の決算資料があまり参考にならなかったり、連結決算担当者のスキル・人数が不足している傾向にあります。
また上場前に外部のコンサル会社に連結決算を依頼したはいいものの上場後に契約を打ち切ったり、上場準備の経験を積みたい公認会計士が上場後に退職することで連結決算担当者がいなくなったケースも過去にありました。

⑤小規模監査法人が会計監査人である。
昨今の不祥事や採算の面で特に大手監査法人経理体制が整っていない企業の監査契約を打ち切るケースが増えています。監査法人営利企業なので経理体制が整っていない企業の監査はコストがかかる上にリスクが大きいのでやりたがりません。
このような企業の受け皿が小規模監査法人となるため、注意が必要です。

⑥業績が急拡大している。
グループ会社数や取引数が増えているのにかかわらず、連結決算担当者の人員が増えていない場合があります。

⑦業績が悪化している。
業績が悪化した場合はバックオフィス部門はリストラの対象になりやすいですが、業績悪化時に適用される複雑な会計処理もあり連結決算の業務量がかえって増える傾向にあります。

⑧グループ会社数が5社以上20社以下である。
グループ会社が4社以下なら一人で連結決算はできなくはないです。
逆に20社を超える企業なら連結決算担当者が不足していても外部のコンサル会社に連結決算支援を依頼する予算がある場合が多いです。
過去の経験上、大企業の方が個人に依存しないように業務分担がしっかりしている傾向にあります。

最後に上記の特徴がある企業に就職するのを反対している訳ではありません。
このような企業で大変な思いをしながらも必死に連結決算のスキルを身につけた連結決算担当者もこれまで数多く会ってきました。特に大企業の場合、業務が細分化されすぎていて自分の業務以外のことをほとんど理解していない連結決算担当者も多かったです。
連結決算を一通り行えるスキルを身につけたいのならばこのような企業に就職するのもありだと個人的に思っています。