【連結会計システム導入のポイント】連結会計システムかエクセルか(その5:固定資産未実現、連結税効果、純額処理)
今回は前回に引続き連結修正仕訳作成(⑨固定資産未実現消去、⑩連結税効果、⑪純額処理)についてお話させていただきます。
連結会計システムで自動化できる処理は主に以下の通りです。
ただし部分的に自動化できない取引がありますのでご留意ください。
①換算
②単純合算
③開始仕訳作成
④連結除外仕訳作成
⑤資本連結仕訳作成
⑥内部取引消去仕訳作成
⑦貸倒引当金調整仕訳作成
⑧棚卸資産未実現消去仕訳作成
⑨固定資産未実現消去仕訳作成
⑩連結税効果仕訳作成
⑪純額処理仕訳作成
各項目単位で連結会計システムで自動化できることは以下の通りです。
今回は⑨固定資産未実現消去仕訳作成訳作成以降についてお話させていただきます。
⑧棚卸資産未実現消去仕訳作成までについてはこちらの記事をご参照ください。
⑨固定資産未実現消去仕訳作成
連結会計システムでの固定資産未実現消去仕訳を自動作成するために必要な固定資産情報は主に以下の通りです。
≪固定資産情報の入力例≫
・取引年月
・未実現金額
・減価償却方法(定額法、定率法)
・償却年数
・法定実効税率
・自動仕訳で使用する勘定科目
注意点として以下の取引の自動化はできない場合が多いです。
・グループ会社から購入した固定資産の減損
・グループ会社から購入した固定資産の減価償却方法・償却年数の変更
・グループ会社から購入した固定資産の一部売却・除却
⑩連結税効果仕訳作成
⑦~⑨の自動仕訳に付随した連結税効果仕訳はほとんどの連結会計システムで自動作成できますが、一部の連結会計システムでは以下のように手入力仕訳に付随した連結税効果仕訳を自動作成する機能があります。
≪自動仕訳例≫
売上原価 100/棚卸資産※手入力仕訳
→繰延税金資産 30/法人税等調整額 30※100×30%(法定実効税率)
ただし以下の懸念があることからあえて使用していないお客様も多いです。
・適用できる法定実効税率に制約がある。
・繰延税金資産の回収可能性などの特殊な連結税効果仕訳は自動作成できない。
・連結税効果仕訳を自動作成するとブラックボックス化する
⑪純額処理仕訳作成
連結修正仕訳作成の最後の処理として純額仕訳を自動作成します。
自動仕訳は以下の区分で自動作成できます。
・会社(連結合計単位or各社単位)
・対象仕訳(単体単位、連結合計単位など)
・対象勘定科目
連結会計システムの自動仕訳は使いこなせば便利ですが、必要な金額はエクセルなどで集計して連結会計システムでは手入力仕訳で対応する方が効率的な場合もあるのでどこまで自動化するかは検討項目となります。
次回は連結CF計算書についてお話させていただきます。
(次回の記事はこちら)